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UC患者 Bさん 30代/罹患歴 約4年

インタビューした方の似顔絵イラスト

休職を経て気づいた、
「助けを求める」勇気と支え合いながら働く力

27歳で潰瘍性大腸炎を発症したBさん。診断後に適応障害も併発し、1年の休職を経験。現在は金融機関で在宅勤務を中心に働いています。上司や人事との対話、会社の理解を得ながら自分らしく働くための工夫や周囲の支えについて伺いました。

発症から診断までは、不安を抱えながらも仕事を続けていたけれど…

私は27歳の春に潰瘍性大腸炎と診断されました。最初に違和感を覚えたのはその数ヵ月前の冬で、血便に気づいたのがきっかけでした。腹痛やお尻の違和感もあって、でもそれまでお腹が弱かったわけではなかったので、「きっと痔だろう」と思い込もうとしていました。

ただ、症状はなかなか治らず、3〜4ヵ所のクリニックを転々としてようやく診断を受けました。その間も不安を抱えながら仕事を続けていて、診断後も忙しい部署で働き続けていました。上司には「難病と診断された」と伝えたものの、あまり理解はされませんでした。自分自身も病気のことをよく分かっていなかったので、周囲にどんな配慮をお願いしたらいいのかも分からないまま、気づけば心も体も疲れ切ってしまっていました。

適応障害の併発、休職と復職支援プログラムが病気を理解するきっかけに

発症から数ヵ月後、激務とストレスが重なって適応障害を併発し、1年ほど休職しました。最初は本当に不安でいっぱいでしたが、休職中に適応障害の復職支援プログラムの支援を受け、病気のことを理解する時間にもなりました。また、人事の方と定期的に面談を重ねるうちに、どういう配慮があると働きやすいのか、少しずつ言葉にできるようになっていきました。そうやってやり取りを重ねる中で、会社の方から「在宅勤務ができる部署に異動してみてはどうか」と提案をいただきました。

病気の伝え方がうまくなったきっかけはパンフレット

病気の伝え方に苦労していたとき、インターネットで見つけた製薬会社のパンフレットがとても役立ちました。自分の言葉だけでは伝わりづらい部分も、資料を見せることで理解してもらいやすくなったと思います。例えば下痢やトイレのことなどは言いづらかったのですが、パンフレットを通して自然に伝えられました。

そのおかげで「こういう配慮をしてほしい」という話ができるようになり、出社が難しい時期も柔軟に対応してもらえるようになりました。

病気への配慮を求めたときに上司から言われた「何をしてほしいか言ってもらえる方がありがたい」という言葉がとても印象に残っています。病気についてうまく伝わらないなと悩んでいましたが、相手は単にどのようにサポートしたら良いか分からなかっただけなんだと気づき、そこから周囲の人との病気に関するコミュニケーションが良くなっていった気がします。

在宅勤務で調整しながら、長期の休みをとらずに再燃を乗り切る

今は金融機関のシステム企画職として、在宅勤務を中心に働いています。去年再燃したときも、長期の休みを取らずに、在宅勤務で調整しながら乗り切ることができました。

会社には保健師さんが常駐しており、薬を変えたときや体調が不安定なときには、私から報告するようにしています。再燃のときは保健師さんのアドバイスで主治医に診断書を書いてもらい、時短勤務に切り替えたこともありました。

同僚にも病気のことはオープンにしています。暗い雰囲気で話すのではなく、明るく伝えるようにしていて、その方が相手も安心してくれる気がします。病気の話をきっかけに、実は同じように悩んでいた人がいると知る機会もありました。自分だけじゃないんだと思えると、気持ちも少し楽になります。

在宅勤務という形が、自分にとっては本当に助けになっています。自分が無理をせず働くことで、同じように配慮が必要な方が「私も無理せず相談していいんだ」と感じ、少しでも働きやすくなれば嬉しいです。

上司からいただいた「会社は補い合うためにある」という言葉が支えに

発症する前は、「多少の無理は当然」と思っていました。無理をして倒れてしまうと、結局まわりに迷惑をかけてしまう。だから、助けを求めるタイミングを自分で見極めることが大事だと思います。病気を経験して、「無理しないことも仕事のうち」なんだと感じるようになりました。助けを求めることは甘えではなく、自分の体調を守ることが結果的に周りを守ることにもつながると今は思っています。そして自分のできる範囲の中で精一杯やろうと思っています。

上司から言われた「会社は補い合うためにある」という言葉は、今でも心の支えになっています。自分が病気になったことで、無理をせず、でも誰かの役に立つことを大切にしようと思うようになりました。

「こうしてほしい」と伝えることは、決して悪いことではない

今、発症して4年が経ちます。周りの人のサポートもあって、治療と仕事を両立しながら、落ち着いた生活を送れるようになりました。最初は本当に不安でいっぱいでしたが、今は前向きに過ごせています。だからこそ、「大丈夫ですよ」と伝えたいです。

それから、申し訳ないと思い過ぎないでほしいです。家族や会社の人、病院の先生など、どんな相手でも、相談したり「こうしてほしい」と伝えることは全然悪いことじゃありません。

何をしてほしいかは、周りの人にはなかなか分からないものです。だからこそ、自分から言葉にすることで、お互いに少し気が楽になるんじゃないかなと思います。もし「何をお願いしたらいいか分からない」ときは、それも含めて先生に率直に相談してみてほしいです。ひとりで抱え込まず、誰かに頼ることで、きっと前に進めると思います。

Bさん

30代女性。UC罹患歴約4年。金融機関勤務の企画職。発症後に約1年間の休職を経て、現在はシステム企画職として在宅勤務を中心に勤務。上司や人事との対話を重ねながら必要な配慮を得て、体調を維持しながらも「自分のできることを精一杯やる」をモットーに仕事に邁進している。