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どのような検査をするの?

潰瘍性大腸炎の治療にあたり、病気の活動性や重症度、投薬に関わる情報を得るために、薬剤投与前や治療中、寛解期の経過観察において、血液検査、尿検査、便検査、大腸内視鏡検査、その他の画像検査などが行われます。

血液検査

使用中の薬剤の副作用チェック、効果判定などに用いられます。

CRP、ESR(赤沈)、白血球数など
⇒ 炎症、感染症の有無
 
赤血球数、ヘモグロビン値(Hb)、ヘマトクリット値(Ht)など
⇒ 貧血
 
総コレステロール、総蛋白、血清アルブミン値など
⇒ 栄養状態
 
AST、ALT、LDH、γ-GTP、ALP
⇒ 肝機能
 
UN、Crなど
⇒ 腎機能
 
ロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)
⇒ 炎症性腸疾患の活動期の判定の補助

尿検査

脱水症状、尿路感染症や尿路結石などの合併症、薬剤による副作用の有無を調べます。

便検査

便中カルプロテクチン、便潜血:出血や炎症の程度、細菌感染の有無を調べます。

大腸内視鏡検査

治療方針の決定治療効果の判定で、中心となる検査です。
大腸粘膜の炎症の有無炎症範囲の変化などを調べ、再燃の予測にも役立ちます。
大腸がんの定期検査としても実施されます。必要に応じて、病理組織検査を行うこともあります。
大腸内視鏡検査のイラスト

挿入時の不快感を軽減するために麻酔薬を使うこともあります。

注腸X線検査

大腸に造影剤を注入して行うレントゲン検査です。
大腸に狭い部分がある場合などに大腸内視鏡検査に代わって実施し、病変の程度と範囲を調べます。

腹部超音波検査

病変の分布の確認など、治療前後の評価や経過観察に用いられます。
腹部超音波検査のイラスト

CT・MRI検査

腹部超音波検査と同様に、病変の分布の確認など、治療前後の評価や経過観察に用いられます。
病変部位に加えて、周辺の組織の詳細な情報が得られます。
CT・MRI検査のイラスト

このほかにも潰瘍性大腸炎治療においては全身管理のために、さまざまな検査を必要に応じて行う場合があります。

心電図  血圧測定  遺伝子検査  薬物血中濃度測定
心エコー、胸部X線検査  眼科検査  抗体検査  肝炎マーカー

参考: 日本消化器病学会:炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2020(改定第2版), 南江堂, 17, 2020
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/ibd2020_.pdf(2025年3月閲覧)
日比紀文監:チーム医療につなげる! IBD診療ビジュアルテキスト, 羊土社, 84-86, 2016