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広がっています。治療と仕事の両立支援

潰瘍性大腸炎の患者さんの多くは、治療と仕事を両立しながら暮らしています。就業率は一般就業率の80%以上との報告もあります。治療しながら、自分らしく働き続ける患者さんをサポートする支援の輪が広がっています。

那須文実, 他:産業衛生学雑誌 2015;57(1):9‑18

治療しながら自分らしく働き続けるための支援の輪の図
参考: 厚生労働省「難病患者の就労支援」(2025年3月現在)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/06e.html
厚生労働省「治療と仕事の両立支援ナビ」(2025年3月現在)
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/forsubject/#sec03
障害者職業総合センター「第30回職業リハビリテーション研究・実践発表会 発表論文集」 (2025年3月現在)
https://www.nivr.jeed.go.jp/vr/vrhappyou30-essay.html

■主治医・看護師
診断・治療を通じて、症状をコントロールし、患者さんの希望する仕事ができる安定した状態を目指していきます。

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■両立支援コーディネーター
専門の研修を受けた人たちです。患者さん・医療機関・会社(人事や産業医)などの関係者の間で円滑なコミュニケーションができるよう、必要な情報を共有してサポートします。

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■難病患者就職サポーター
全国のハローワークにいる専門員です。就労準備を始める段階から就職後の働き方についてまで、就労に関する総合的なサポートをします。

■キャリアコンサルタント/キャリアカウンセラー
働く人を支える国家資格の専門家です。自分にとって仕事とは何か、といった気持ちの棚卸しを交えながら、より自分らしく働き続けることを望む患者さんをサポートします。

■ハローワーク
専門の相談窓口があります。職業紹介・就職あっせんはもちろん、患者さんの就職の悩みや疑問にも対応します。治療中の新卒学生さんの就職活動の相談もできます。

■治療就労両立支援センター
休業からの職場復帰や両立支援をサポートするとともに、「治療と就労の両立支援マニュアル」の作成・普及を進めています。全国各地の病院内に設置されています。

■難病相談支援センター
難病に関する最新情報を集め、患者さんの日常生活から就労までを幅広くサポートします。保健所や就労支援機関、社会福祉士や保健師と連携し、地域の支援者と患者さんをつなげます。各都道府県や指定都市に設置されています。

■産業保健総合支援センター
通称「さんぽセンター」。治療と仕事の両立ができる環境を整えるために、主に、会社(雇用する側)への研修や訪問指導を行っています。患者さんと会社間の調整支援なども行います。

■就労移行支援事業所
一般企業への就職を目指す患者さんの就職準備〜就職活動〜職場への定着支援まで、幅広いサポートを行う民間の福祉サービス施設です。全国に約3,000ヵ所あります。

■患者サポート団体
患者さんを支える民間団体です。団体ごとに、さまざまな方針で多彩な側面から、患者さんの就労や生活を支えます。

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■製薬会社
治療薬を開発・提供するだけでなく、患者さんに役立つ情報プラットフォームなどを用意し、患者さんを支えています。

「仕事を続けたいけれど両立できるかな…」
どうすればいい?

体調や症状、仕事内容や職場環境は一人ひとり異なります。両立支援コーディネーター、医療機関、会社(雇用側)の3方から支える「トライアングル型支援」により、それぞれの患者さんに合わせた最善策を探ります。

トライアングル型支援の図

「治療と仕事の両立」の実現は、まず、患者さん自身が「働きたい」と意思表明することから始まります。その想いを受けて、両立支援コーディネーターは、患者さんの症状を細かく把握し、業務内容や職場環境に応じて、関係者が最適なコミュニケーションを取れるようにサポートします。

両立支援コーディネーターはここにいます

病院  治療就労両立支援センター  産業保健総合支援センター 
各種支援機関  企業 など

3つの書類を使った情報リレーの図。まず、患者さんが両立支援を希望して相談する。(1)患者さんが自身の仕事内容などをまとめて主治医に提供する。(2)主治医が職業継続の可否や職業上の措置、治療への配慮などについて「意見書」を作る。(3)会社が職場における両立支援を検討・実施する。

コミュニケーションをスムーズに進めるために活用できる「書類」があります。直接言いづらいことも伝えやすく、関係者が状況を共有しながら最善策を考えていくことができます。

様式例はこちらでダウンロードできます
勤務情報を主治医に提供する際の様式例
PDF版[375KB] WORD版[37KB]
職場復帰の可否等について主治医の意見を求める際の様式例
PDF版[375KB] WORD版[37KB]
両立支援プラン/職場復帰支援プランの作成例
PDF版[375KB] WORD版[37KB]

出典:厚生労働省ホームページ 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html#h2_free1

「もっと自分らしく働きたい」「気を使い過ぎないでほしい」
そんな時は、どうすればいい?

何事も良くも悪くも想定通りにはいかないものです。仕事に就いてから、初めてわかる課題や悩みも一人で抱えず、ぜひ相談を。調整しながらより良く働き続ける道を探っていくことは、すべての人にとって当然の権利です。会社との対話を専門家がサポートします。

難病患者就職サポーターに相談してみようの図

症状も職場環境も、時間とともに変化していきます。その時々、それぞれの状況に耳を傾け、患者さんにも会社(雇い主側)にもアドバイスをしていきます。

難病患者就職サポーターはここにいます
ハローワークインターネットサービス 「難病患者就職サポーターがいるハローワーク」 一覧
(各都道府県1~2カ所のハローワークにいます)

https://www.mhlw.go.jp/content/000845854.pdf